2024年12月– date –
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✝ 残 ✝ 058話 狂える月(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残058話 狂える月(1)✚ もやもやする気分を引きずったまま、エルフェリスは一人、日の差し込まない回廊をとぼとぼと自室へ向かって歩いていた。 太陽はもう完全に姿を現しているというのに、遮光われたこの城の中はやはり肌寒く、薄暗い。 血塗らに... -
短剣と夜想曲24話 ナイト【異世界転移ファンタジー小説】
Dream24.ナイト さてこの状態どうしよう。 セシルドが消えてから早数分。 言われた通り、ロングソードを握り締めたまま、セシルドがリュイ達を伴を鳴らす。「テメェ、全てが済んだら八つ裂きにしてやるからな」 赤い舌を覗かせて夢魔がニヤリと笑った。... -
✝ 残 ✝ 057話 ある夜の出来事(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残057話 ある夜の出来事(2)✚ 広くて冷たい回廊を足早に歩く彼の姿を見失わないよう、努めて足音を立てないよう注意しながら小走りで付いて行く。 ロイズハルトをはじめとするヴァンパイアは五感が人間よりも優れていると聞くから、エルフェリスの立... -
短剣と夜想曲23話 拒む愛妻3【異世界転移ファンタジー小説】
Dream23.拒む愛妻3 「変な……天気。リュイ達の方は大丈夫かなぁ」 ふとあの場に置いてきた二人の事が気になった。 夫婦とはいえ、ミルさんは今夢魔に魅せられている。 もしあの二人の方に夢魔が現れたら? ヒーラーのリュイ一人で太刀打ちできるのだろう... -
✝ 残 ✝ 056話 ある夜の出来事(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残056話 ある夜の出来事(1)✚ 「エルフェリス様、お加減いかがですか?」「うん、もうすっかり元気! 心配かけてごめんなさい」「まったくですわ。しばらく無茶は禁止でしてよ」「はーい。……てか別に無茶なんかしてないんだけどなぁ」「してます! この... -
短剣と夜想曲22話 拒む愛妻2【異世界転移ファンタジー小説】
Dream22.拒む愛妻2 きれいな放物線を描いて茂みに落下する物体。「っ?」 物体を確認するために恐る恐る茂みをかき分けると、そこには見慣れたあの顔が恨めしそうにこちらを睨み付けていた。 ……。 …………。「……妖怪?」「誰が妖怪だボケ」「アンタ何やってんの... -
✝ 残 ✝ 055話 ルイの帰還(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残055話 ルイの帰還(3)✚ † † † † † そしてそれからまた数日後、ついに城内が尋常でないほどにざわめき立つ瞬間を迎えた。 城に住まうありとあらゆる者が出迎える中を、帰って来たのだ。あの男が。 けれどエルフェリスはちょうどその時、めっ... -
短剣と夜想曲21話 拒む愛妻【異世界転移ファンタジー小説】
Dream21.拒む愛妻 さてさてこれは一体どうしたことか。 あたし、ちょっと邪魔者みたい? ――そんな状況。「帰りましょう? ミル」「……嫌です。ここにいます」「なぜ? ここは夢魔が作り出した偽んで力任せに手前に持ってくると、何やら謎の物体が前方に放... -
✝ 残 ✝ 054話 ルイの帰還(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残054話 ルイの帰還(2)✚ 以前ちらりとレイフィールのドールにそのような話を聞いたことがあったが、それよりもなお計り知れないようなことが、日常的に繰り返されていたとかいなかったとか。 だからあのような結末を迎えたにもかかわらず、ドールか... -
短剣と夜想曲20話 勇気の食卓【異世界転移ファンタジー小説】
Dream20.勇気の食卓 温かいスープが身体中にゆっくり染み渡っていった。 リュイ特製の優しくて美味しいスープ。 私とセシルドがお腹を空かせて帰って来てもいいようにと、あの後すぐにリュイとクライスで作り始めたのだそうだ。 だが……。「クライス様... -
✝ 残 ✝ 53話 ルイの帰還(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
〈第四夜 灰色の風〉 ✚残053話 ルイの帰還(1)✚ 人は未来を知ることができない。 そんな便利な能力が備わっていれば、こんなにも荒くれた世の中にはなりはしなかっただろう。 けれどまた、人間とヴァンパイアが共存をしようなどという方向にも向か...
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