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【残054話】ルイの帰還(2)
✚残054話 ルイの帰還(2)✚ 以前ちらりとレイフィールのドールにそのような話を聞いたことがあったが、それよりもなお計り知れないようなことが、日常的に繰り返されていたとかいなかったとか。 だからあのような結末を迎えたにもかかわらず、ドールか... - † 残 †
【残53話】ルイの帰還(1)
〈第四夜 灰色の風〉 ✚残053話 ルイの帰還(1)✚ 人は未来を知ることができない。 そんな便利な能力が備わっていれば、こんなにも荒くれた世の中にはなりはしなかっただろう。 けれどまた、人間とヴァンパイアが共存をしようなどという方向にも向か... - † 残 †
【残052話】断罪の日(6)
✚残052話 断罪の日(6)✚ エルフェリスはそれを慎重に聞き取っていく。 「あの男とは……庭園茶会の日に城の外で出会ったの。黒いマントで身を包んだ、恐ろしいくらいに美しい男……。その後はまるで魔法に掛けられたようにロイズ様の名で手紙を書き、それを... - † 残 †
【残051話】断罪の日(5)
✚残051話 断罪の日(5)✚ 「……カルディナ……?」 そしてそっとその名を呼ぶ。 返事は無かった。 てっきり自分の姿を見て掴を手にとってさらに奥を覗いた。 揺らめく炎に照らされて、隅の方で小さくうずくまる人の影が目に入る。エルフェリスや灯りに... - † 残 †
【残050話】断罪の日(4)
✚残050話 断罪の日(4)✚ 「ちょ……っと?」 今の今までの緊張感はどこへやら。 突然のロイズハルトの奇行にエルフェリスは成もなく、ただただひたすらに動揺した。 けれど当のロイズハルトはそんなエルフェリスの反応を楽しむように、何度も何度も首... - † 残 †
【残049話】断罪の日(3)
✚残049話 断罪の日(3)✚ 「尋問て……何を……」「それは言えない。ヴァンプにはヴァンプのやり方がある。だが……レイの尋問は決して甘くはない。カルディナが簡単に口を割ったところを見ると……それなりの事はしたのだろう」 その言葉に、一気に背筋が寒くな... - † 残 †
【残048話】断罪の日(2)
✚残048話 断罪の日(2)✚ 「リーディアは? リーディアは無事なの?」 ただでさえ早い段階で背中に大きな一撃を受けていた上に、彼女もエルフェリスの傍で戦っていた。リーディアも同じように、さらなる傷を浴びせられてしまったのだろうかと、エルフェ... - † 残 †
【残047話】断罪の日(1)
✚残047話 断罪の日(1)✚ 「カルディナはドールとしての行動を見誤れようなどという過ぎた真似は有るまじき行為だったな。それがどういう事か、お前には分からないようだ」「……違います……違います! そんなつもりは……!」「問答無用だ。もはやお前に用は無... - † 残 †
【残046話】狂愛の果て(4)
✚残046話 狂愛の果て(4)✚ その瞬間。 「リーディ……ア様、いらっしゃる……、の?」 幾分大きくなったその声に、エルフェリスとリーディアは顔を見合わせると、すぐさまアルーンが縛り付けられている木の裏側に回り込んだ。 そしてそこにいた者の姿を... - † 残 †
【残045話】狂愛の果て(3)
✚残045話 狂愛の果て(4)✚ † † † † † 時が凍りついたように、エルフェリスもまた衝撃を受けて固まっていた。 「ロイズハルトが……禁術使い……?」 禁術はもはや伝説の中の伝説。知る人ぞ知る、忘れ去られた過去の遺物。 その術をヴァンパイアの中... - † 残 †
【残044話】狂愛の果て(2)
✚残044話 狂愛の果て(2)✚ † † † † † 慌しく居城内を走り回る者たちの足音が、静まり返った回廊に響き渡る。 先ほどから自室のバルコニーに立ち、泉の方角をじっと見つめたまま動きもしなかったレイフィールは、その騒音がさも邪魔だと言わんばか... - † 残 †
【残043話】狂愛の果て(1)
✚残043話 狂愛の果て(1)✚ 苦しい……。 誰か助けテ……? 私はここにいるのに……。 あア……ロイズ様。 助けて下サ……イ……。 「ねえリーディア。こいつらいつの間に紛れ込んだのかなぁ? 初めにいたのは確かにハイブリッドだったわけでしょ?」 アンデッ... - † 残 †
【残042話】聖なる血の裁き(8)
✚残042話 聖なる血の裁き(8)✚ ワンドの先から白い閃光した。神聖魔法の中でも一番威力の弱い魔法ではあったが、それでもただのハイブリッドが相手ならば十分すぎるほどの威力を発揮した。その証拠に、閃光の走った後には無数の灰の山が積み重なっている... - † 残 †
【残041話】聖なる血の裁き(7)
✚残041話 聖なる血の裁き(7)✚ 辺りはいつの間にか大量の灰で溢れていた。わずかな風でもそれは砂塵を含んで醜く濁っていた。 先ほどから、身体が鉛のように重い。 時間を経るごとに荒く、早くなる呼吸。時おりぼやける視界が、限界の近さを知らせて... - † 残 †
【残040話】聖なる血の裁き(6)
✚残040話 聖なる血の裁き(6)✚ しかしその間にも残った男たちは次から次へと襲い掛かってきた。 このままではリーディアの負担は増す一方だと悟ったエルフェリスはふらつく頭を何度も振って、それから肢体に力を込めてワンドを杖代わりに立ち上がる。... - † 残 †
【残039話】聖なる血の裁き(5)
✚残039話 聖なる血の裁き(5)✚ 「うぐっ?」 リーディアの行動が理解できないのか、男は初め訝めると、男の口から大量の血が溢れ出した。 エルフェリスから吸い取った赤い血が。 リーディアはその時を見計らってさっと身を交わし、地べたに座り込む... - † 残 †
【残038話】聖なる血の裁き(4)
✚残038話 聖なる血の裁き(4)✚ 「しかし俺たちも見くびられたモンですよね、まさかドールなどから指図されることになろうとは」 この場の緊張感とは正反対の軽さを含んだその声に、リーダーらしきあの赤目の男は大きく欠伸をしながら面倒そうに同意した... - † 残 †
【残037話】聖なる血の裁き(3)
✚残037話 聖なる血の裁き(3)✚ 「二人とも殺して良いと言われているんでね」 男の中の一人がそう言って、白い牙を覗かせた。 「誰の差し金ですの……」 そんな中、ようやく息を整えたリーディアがゆらりと立ち上がり、エルフェリスを庇うように一歩前へ...