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酒船石の迂回ルートから降りてきて、ちょっと畑の方に入ったところに飛鳥宮跡がある。
普通に田んぼの中にぽつんと。
雨が降ってきたから傘を差しながら見学。

ここに乙巳の変(大化の改新)が起こった飛鳥宮があったのか…。
ここで蘇我入鹿は中大兄皇子と中臣鎌足に首を跳ね飛ばされて、その首が飛鳥寺の方まで飛んでった…と。
結構距離あるぞ。
奈良って凄いな、と思うのは、そこら中にこういった遺跡や遺物がゴロゴロあって、しかも歴史で必ず習うような事件の舞台になってたりするのに、発掘が終わったあとの状態で説明の看板だけ置いておく、という実にシンプルな保存方法を用いているところ。
次から次へと発見されるから、そこそこ出揃ってから整備するのかもしれないけど、世界遺産になったら踏み荒らされそうで心配だよ。
この場所から、さっき小学生たちが見学していた天武天皇や持統天皇の宮殿跡と言われている発掘現場は本当にすぐ近くだったから、きっとこの飛鳥宮と宮殿跡は回廊とかで繋がってたんだろう。
この辺全部掘り起こしたら、すごい大発見になるんじゃないかな。
住人の生活があるから無理だろうけど…。
良いなぁ、発掘、やりたいなぁ。
なんて思いながら、次は岡寺へ向かう。
雨が結構強かったけど、しばらくバスが来ないので歩いた。
岡寺バス停はそんなに遠くなかったけど、バス停から岡寺までがまさに修行か、と思うような上り坂。
バス停のところに建っている鳥居をくぐって少しはなだらかなんだけど、進むにつれて…凄まじかった……。
バス停からは徒歩10分くらいだったと思うけど、最後の上りはマジで壁。
歩いて上れるのか不安になるほどの勾配。
ぜーぜーしながら大雨の中、坂を上る。

つ…着いたぜ。
足の悪い人や高齢の方は、ほんのちょっとの距離でもタクシーが一番良いかも。
タクシーならば駐車場がすぐ下にあるので、そこの階段を上れば拝観受付まで来れるけど、徒歩やバス、自転車の人はどう頑張ってもあの壁のような坂を自力で上る運命にある。(自転車置き場はそこそこ勾配のある坂の途中にありました)
岡寺さん…坂最強。
岡寺では、奈良斑鳩吉野フリーきっぷを見せると少し拝観料を割引してくれる特典があります。
けれど私はこの3日間で長谷寺と室生寺と安倍文殊院にも行くのだ!
岡寺、長谷寺、室生寺、安倍文殊院の四社では「奈良大和 四寺巡礼」というのをやっていて、個人参拝用に四寺共通拝観券というのを販売している。
期限なし(拝観券値上がりの場合は差額が発生するかも)で使えて、共通拝観券を購入した場所で特典として四寺の御本尊の散華がもらえるのです!
値引きよりも散華が欲しいので、迷わず共通拝観券を選択。
手のひらサイズの大きな散華もらったー♪
雨だけど嬉しい。大雨だけど。

中に入ったら、花手水やってたー!
これ、キレイで好きなんだよなあ。

ダリアかな?
ビー玉の受け皿に貯まる水が何とも涼しげ。

岡寺はシャクナゲの花が有名らしいけど、この時にはほとんど花は終わっていた。
急坂のダメージを引きずったまま、境内の階段を上る。
息切れはとどまる事を知らず。

ひいひい言いながらも本堂にたどり着いた!
岡寺は日本最初の厄除け霊場とされていて、本堂には御本尊として日本最大の土で造られた仏像(塑像)、如意輪観音座像が祀られているんだけど、これがまた大きい!
高さは5m近くあるらしく、ぱっと見、土で出来ているような質感でもない。灰色だからかな。
でも土なんだって。
木製や金属製の仏像と違って、素材が土だと地震とかで崩れてしまわないか心配になるけど、岡寺に伝わる話では、この如意輪観音座像は弘法大師様が日本と中国とインドの土で造ったもので、胎内にはそれまで岡寺の御本尊とされていた31cmくらいの半跏思像惟像が納められていたというから、やっぱり仏様の力って何かしらあるんだろうなぁ。
弘法大師様の作だと1200年は経ってるはずだろうから。
本堂の脇で御朱印をもらったら、境内をゆっくり散策したかったけど、雨が結構降ってたので素早く、さっと見て降りることにした。一区間でもバスに乗りたいしね。

御朱印を書いてもらってる時に、お守りと一緒に売ってた丸いのが木にぶら下がってる。
願いを叶えてくれる龍玉願い玉というものだった。
球の中にお願い事を書く紙が入ってて、お願いを書いたら珠に戻し、この木にぶら下げるのか。
絵馬のようなものだ。
岡寺はもともと「龍蓋寺」とも呼ばれていて、それは、昔この地で大暴れしていた龍を、本堂前の小さな池に封じ込めたことに由来しているから。

ちょっとうまく撮れなかったけど、ここが龍が封印されている龍蓋池。
真ん中に石が刺さってて、それで龍を閉じ込めているんだそう。

本堂から階段を少し上ったところにある三重塔。
ここからは明日香村の景色を見下ろすことが出来るけど、晴れてりゃもっとキレイだったろうなぁ。
では、岡寺バス停に戻って、次は石舞台古墳に向かいます。
ちなみに帰りもあの壁のような坂は修行であった…。雨だから滑りそうになるし、転がり落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしたわ。
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