きぬかけの路。金閣寺から龍安寺を通り、仁和寺まで続く散策路をせっせと歩く。
立命館大学の前を横切り、小さな山(車道に沿って歩くので舗装されてます)を越え約20分。龍安寺の駐車場が見えてきた。
敷地に入ると茶屋があったので、少し早いがお昼ごはんを食べることにした。
私は平気だが、連れは腹が減るとダメなタイプなので、休憩できそうなところがあれば腹は膨らませておきたい。
ただでさえ暑く、歩いてきたためさらに汗だくであったが、きつねうどんが私を呼んでいる。
初めて京都できつねうどんを食べた時は衝撃的ですらあった。出汁文化なのは頭では分かっていたものの、実際に食べるとめちゃくちゃ美味しい。
甘めのお揚げさんから出汁がじゅわーっと出てくる。うまぁい。汁まで飲んじゃう!
ふと見ると、韓国系の2人組のテーブルに次から次へと料理が運ばれていく。そんなに食べられるの? と驚愕していたら、あとから三人ほどお仲間が来た。
テーブルいっぱいの料理を前に、誰が何を頼んだのかパニックになっている。それはそれでおもしろかったが、確かに写真だけで料理選んだら分からなくもなるよね。
腹ごしらえも済んだので、拝観料を支払っていざ、あの有名な枯山水の石庭へ。
驚いたことに、連れは龍安寺が初めてだという。修学旅行の時は一体どこに行ったのだろうか。
入り口から入ると大きな池があり、睡蓮が蕾を付けていた。もう少し早い時間に来ていればもしかしたら咲いていたかも。
こちらも有名な観光地のため、もっと混雑しているかと思いきや、こちらは金閣寺のような混雑はなく、外国人は多かったがみんな静かに見ていく方ばかりだった。なぜ金閣寺だけあんなことになっていたのか……。外だから?
池をくるっと半周ほどし、階段を少し上がると龍安寺が見えてくる。
石庭へは靴を脱いで上がる。左手に石庭、右手には見事な龍のふすま絵があり、石庭の縁側は座るところがなかったので先にふすま絵を鑑賞した。
実はこのふすま絵、今年の春に特別公開された龍雲図襖絵というもので、描いたのは元内閣総理大臣の細川護煕氏であった。
政治家やってた人がこんな絵を描けるの。逆になんで政治家になんてなったの。ちょっとこの絵はすごいです。一見の価値有り!
なんて思っていたら、縁側に空きができたのですかさず座る。
石の数、今日も14個。何回来ても14個。でも近くに置いてあるミニチュアを見ると15個あるんだよなぁ。これは毎回不思議。なんで見えないんだろう。遊び心、良く計算されている。
庭園を堪能し、裏庭も観賞し、御朱印をいただいたら次は仁和寺を目指す。
建物から外に出たら、きぬかけの路を歩いていた外国人の青年が前を歩いており、龍安寺内にある湯豆腐屋さんに吸い込まれていった。ひとりで湯豆腐に突撃するとかすごいな。
龍安寺は緑が多くて、日陰に入るととても涼しい。
枯山水の庭だけでなく、苔むした裏庭もまたのんびり眺めるには最高だ。
派手さなどいらない。控えめでこそ際立つものが日本にはとても良く似合う。
そう思わずにはいられない。