京都奈良全力旅⑩春日大社~東大寺【フォトエッセイ・三度の飯より寺社仏閣】


 新薬師寺を出発したものの、前回来た時と来た道が違ったため、一応地図で春日大社への方向を確認する。

 確かほんのちょっと歩けば鎮守の森という原生林に入れる気がしたんだけど、はて? と思いつつGoogleを頼りに歩き出す。

 あ、春日山が見えるじゃん。結構上の方にも人がいる。

 という事ですぐに鎮守の森に入ることができた。こっちの住宅街側にも鹿さんはいるのね。一頭はちょっと体が小さいので子鹿さんかな?


 鹿を横目に森の中へ。

 鎮守の森は人の手が加えられていない森なので、木の根っこも出ていれば、雨が降れば歩くところもどろどろぐちゃぐちゃになる。午後は普通の場所より早く暗くなるから、通り抜ける人は必ず複数人で行って下さいね。

 鎮守の森を15分ほど歩くと春日大社の参道に出る。

 人も鹿もめっちゃいる。まるで久しぶりに下界に降りてきた仙人の気分だ。

 両側に石灯籠がびっしり並び立つ参道は、春日大社に来たという感じがして大変良い。だが変なところに鹿がいたり、鹿の落とし物が大量に落ちてたりするので気は抜けない。

 踏んづけたら運が付く。

 かもしれないけど靴は確実に汚れる。その靴でホテルの部屋まで行かなくてはならないのだから、靴の裏は絶対死守だ。


 紅白の美しい本殿に参拝し、それから御朱印をいただく。春日大社も御朱印帳に直書きしてくれるのだが、御朱印のおばちゃんが新薬師寺の御朱印を見て驚いていた。初めて見たらしい。

 確かに、奈良駅から来た観光客だと、普通は春日大社の後に新薬師寺に向かう方が圧倒的に多いだろうからなぁ。

 にしても春日大社の社殿は本当にきれいだよなぁ。ちょっと傾斜のついている回廊とか、ぶら下がっているたくさんの燈籠も神秘的。

 などと思いながら春日大社を出て、興福寺か東大寺に向かい始めたが、ちょっと疲れてきたので甘いものが食べたくなってきた。

 見ればすぐそこに茶屋があるではないか! お団子ー。あんみつー。アイスー。吸い寄せられるようにお店の入り口まで行くと、閉店の文字。

 閉店の時間、いっぷんまえ……。しょぼぼ。

 なんだろう。食べられると思った物が口に入らなかった時ってどっと疲れるよね。嗚呼お団子ぉ。

 気を取り直して興福寺か東大寺……。でも待てよ。この時間になると最終受付け時間というものがある。さっきも、この前の東寺でも苦い思いをしたのだ。今度はちゃんと調べるよ。

 時間的に興福寺は間に合いそうもなかったので、受付時間に間に合いそうな東大寺に向かう。


 東大寺にどんどん人が向かっていく。拝観料の窓口も並ばなければ行けないくらい混んでいる。夕方だよ? すげーな大仏さま。

 毎回毎回同じ事言ってる気がするけど、でっかいよねー、盧遮那仏るしゃなぶつさま。かつて奈良時代に聖武天皇が行基というお坊さんに命じて造らせた巨大な仏像。

 同時、流行病だった天然痘を鎮めるために造られたって聞いたときは驚いたけど、コロナ禍を経た後だと、さらに感慨深い。

 てか話逸れるけど、天然痘って昭和後期まで根絶されてなかったんですね。しかも他のウイルス感染症は根絶されてないとか聞くと、ウイルスこわっ!

 にしても人がめっちゃ多い。修学旅行生の集団に飲み込まれそうになるし、避ければまた別の敬老会みたいな集団、外国人ツアー客の集団と、とにかく大盛況。


 撮影も禁止じゃないから、みんなスマホやカメラでバッシャバシャ撮るもんで進まない進めない。ま、東大寺の大仏殿はどの仏像さまも巨大だから多少遠くても見えるんだけどね。

 なんかあれだな。ライブ観に来たみたいな感じだな。

 人の隙間をうまくすり抜けて、大仏殿出口付近に設置されてる御朱印所にたどり着くも、こちらも大行列!

 窓口が4つほどあったけれど、それぞれの列に並んで書いてもらうようになっていて、とりあえず私と連れはバラけて並ぶ。にしても7人ほど前にいるから結構時間は掛かった。


 でも書いていただく人によって書体とか文字の勢いとかが違うから、複数人で行くなら別の人に書いてもらった方が見せ合いもできるし、良いよね。

 大変素晴らしい御朱印をいただけました!

 はぁ、奈良満足。京都とは違った良さがあって良いよね。興福寺は五重塔の修復が始まるみたいできちんと観ておきたかったけど、バスの車窓からなんとか見れた。

 疲れたので近鉄奈良駅からは特急に乗ることに。ホームに降りると、反対のホームに何やら茶色の素敵な電車が入ってきた!

 あをによし、という近鉄の観光列車らしい! ラッキー!

 その後ホテルに戻り、お夕飯は近くのタンメン屋さんへ。この夜も、祇園祭のお囃子が聴こえていた。

 

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