奈良国立博物館では、2025年4月19日〜6月15日まで開館130周年記念特別展「超国宝展〜祈りのかがやき〜」を開催してます。
仏像大好きな私。
どうしても観たい!
何が何でも観たい!
2月に京都行ったばかりだけど…よし、奈良に行こう! と思い立って奈良まで行ってきました!
ちなみに前期(〜5月18日)の方に行きました。

奈良国立博物館のなら仏像館。天気悪。
この建物をぐるっと回り込んだところに西新館と東新館があり、入口とチケット売り場もそこにあります。
にしてもめっちゃ久しぶりに来たー!
結構前に正倉院展を観に来た時以来だからなぁ。
正倉院展の時は夕方まで2時間並んで入った思い出。今回は何分で入れるかな。
到着したのは開館の9時半を少し過ぎたくらいで、事前にチケットは買ってあったので並ぶだけでした。
でも入場列どこだ? というくらい奥まで伸びていて、新館裏で鹿せんべい売ってるおばちゃんの前辺りが最後尾。
当然鹿もたくさんいるエリアなので、チケットとか手に持ってると鹿に食われるかも。実際、何も持ってないのにせんべい持ってないか鹿に袖引っ張られてる人いたので。
入場できたのは約30分後。
やっぱり開館直後〜お昼くらいが一番混雑するみたいなので、近くにお住まいだったら午後の方が空いてるのかもしれないです。

中に入ると、今回の目玉、法隆寺の観音菩薩立像(百済観音)と中宮寺の菩薩半跏像、石上神宮の七支剣の垂れ幕が出迎えてくれます。
いずれも国宝です。
超国宝展の展示物は当然ですが写真撮影は禁止です!(仏像館には一部OKなのが有り)
ひとり、写真撮ってる人いて凄く残念だった。
周りの人が「撮影しちゃダメだよ」と口々に言ってたのに本人は音声ガイドを聴いてた為か知らん顔で撮ってた。
係員もいっぱいいたけど、それ以上にお客さんが多すぎて注意しようにもできない場所もあるくらいには混んでました。
どこ見てもほぼ国宝。
あっちのフロアもこっちのフロアも国宝だらけ。
混んでるけど、少しでも空いてる展示物から観るようにまわれば近くで観ることもできました。
国宝だけあって細工が細かったり、小さくて見にくかったりする物もあるので、ガチ勢だと双眼鏡持参の方も多かったです。
個人的に印象的だったのは、やはり法隆寺の百済観音。
とにかく華奢な仏像ですが、何とも言えない慈愛の表情、そして圧倒的なオーラ。
展示室に入るとすぐ目に入るところに囲いもなく置かれているのに驚愕です。
この百済観音は目に水晶などが嵌め込まれているわけではなくて、眼球も彫り出してあって遠目だとわかりにくい部分もあるんだけど、見上げていると、ホント泣きそうになる。
息を呑むくらいに美しい仏像で、3周くらいぐるぐるまわって観た。
そして次に、東大寺の重源上人坐像。もちろん国宝。
南都の焼き討ち(1180年)で燃えてしまった東大寺を再興した重源上人の晩年の姿を彫り出した坐像で、これ、本当にリアルで生きているみたいでした。
表情は細かく、長い時を経て露出した木目がおじいちゃんの皺とかシミとかをさらに表してるようで…呼びかけたら「はい」って返事してくれそう。
次に病草紙。京都国立博物館所蔵の国宝。
病に悩む人の治療風景を描いた絵巻物なので笑っちゃいけないんだけど、笑ってしまいました。
痔瘻の男とか口臭の女とか…ふたなりとか!
見た目は美しいのに口が臭い、って説明文にゲラゲラ笑いそうになったし、実際みんなこの国宝の説明文読んで笑ってた。
昔の人、すごい。
次に両界曼荼羅。
でっかい! とにかくでっかい!
黒地に金で描かれた曼荼羅は天井まで届く大きさで、2枚で一対の国宝。
黒く見えたけど実際は紺色で、金のほかに銀も使っているみたい。
ひとつひとつの仏様の描き込みも細かいが、天井まで届く高さの布にびっしり大量に描いてあるものだからとにかく圧倒される。
この曼荼羅絵の前には椅子も用意されていたので、時間のある方はぜひ座ってゆっくり鑑賞してほしい。
これは本当にすごいから!
そして石上神宮の七支剣。
砂漠に生えるサボテンのような形の不思議な剣。
これも大人気でしたが、混雑を緩和するために奥の方の展示室で展示されていたので、ゆっくり鑑賞することができました。
実際に人を斬る為の剣ではないとはいえ、何でこんな形をしているのだろう…ナゾです。
次に春日大社の金地螺鈿毛抜形太刀。
うわーキレイ、と近寄ってみたら、螺鈿細工の部分が猫ちゃんでした!
螺鈿細工の猫ちゃんがいっぱい!
この刀の持ち主は猫が好きだったんだろうか。
平安時代には猫飼ってる貴族がいたと言うけれど、猫ちゃんて奈良時代辺りに唐から輸入されたのは知らなかった!
輸入してくれた人、ありがとう。猫大好き!
それから福島県龍興寺の一字蓮台法華経。
これはガラスケースに顔をぶつけない程度にガン見必至!
その名の通り、法華経の一文字一文字の下に蓮の花の絵が書いてあるのです!
漢字一文字一文字が蓮の花の台座に載ってるの!
これがまた繊細で美しい。
目線を出来るだけ低い位置まで下げないと、もしかしたら少し変わったただの文書にしか見えないかもしれない。
なので、出来るだけ目線は低い位置から観て!
そして最後に宝菩提院願徳寺の菩薩半跏像。
会場の一番最後、何も無い真っ白な空間にポツンと置かれていた菩薩さまですが、それがまた圧倒的な存在感を感じさせる展示方法でした。
ふくよかな体つきと、身に纏った衣がシンプルながらも複雑な表現で、すごくゴージャスな印象を受けた。
身に付けている装飾類は、目立つ物だと頭の金冠くらいだけど、やはりそれも内側から放たれるオーラがあるからなのかなぁ。
素晴らしい特別展でした!
本当は、中宮寺の菩薩半跏像と清凉寺の釈迦如来立像(どちらも5月20日〜)も見たかったし、薬師寺の吉祥天女(〜5月6日)も見たかった。
清凉寺の釈迦如来立像は胎内から五臓六腑が見つかった「生ける仏像」だし、薬師寺の吉祥天女は正月しか開帳されないからなかなかお目にかかることはできないし。
▼清凉寺に行ったエッセイはこちら▼

一気にこれだけ大量の国宝を観れる機会なんて無いので、観たいと思ったら行った方が良いと思う。ホントに。

ちなみに図録も買いました。
370ページで3300円は破格だと思うくらいの出来。
写真だけじゃなくて解説まで付いていた。
上から撮ってるから薄く見えるかもだけど実際は3cmの分厚さ。
あちこちで「鈍器」と呼ばれていたけど、あながち間違いではないかもしれないな。