月海– Author –
- 短剣と夜想曲
【夜想曲15話】悪夢の暴走
Dream15.悪夢の暴走 「おい! お前! さっさとオイラをココから出せ!」 硬い鉄格子の隙間から顔を覗かせてその少年は叫ぶと、両手で掴を力一杯揺さぶった。 暗く冷え切った石の壁にガチャガチャと無機質な音が鋭く響き渡る。 「出せって言ってんだ... - † 残 †
【残048話】断罪の日(2)
「リーディアは? リーディアは無事なの?」 ただでさえ早い段階で背中に大きな一撃を受けていた上に、彼女もエルフェリスの傍で戦っていた。リーディアも同じように、さらなる傷を浴びせられてしまったのだろうかと、エルフェリスの瞳が不安に揺れる。... - 旅エッセイ
入間航空祭2024に行ってきた!②
▼前編はこちらから▼ ランウェイビューエリアに移動 大混雑のメインエリアから、大きく滑走路を迂回する形で歩いて約15分〜20分、狭山市駅側のランウェイビューエリアと名付けられたエリアへとやってきました! こちらも人はいっぱいでしたが、観覧するには... - 旅エッセイ
入間航空祭2024に行ってきた!①
趣味で小説などを書き散らしている月海と申します。 さっそくですが2024年11月3日(日)、突き抜けるような晴天の中、カメラ片手に埼玉県入間市の航空自衛隊入間基地で行われた入間航空祭へ行ってきました! 初めての航空祭、しっかり楽しんできましたよ。 ... - 短剣と夜想曲
【夜想曲14話】東の魔術師
Dream14.東の魔術師 夜が明けてすぐ私達は広場を後にし、再び街道を東の魔術師の元に向けて進んだ。 今日はうっすら雲が広がって、あまりすっきりとは言えない空模様。 私の瞼もあまりすっきりしない。 馬上ではクライスに支えられているのをいい... - † 残 †
【残047話】断罪の日(1)
「カルディナはドールとしての行動を見誤れようなどという過ぎた真似は有るまじき行為だったな。それがどういう事か、お前には分からないようだ」「……違います……違います! そんなつもりは……!」「問答無用だ。もはやお前に用は無い。連れて行け」「嫌……... - 短剣と夜想曲
【夜想曲13話】凍える夜
Dream13.凍える夜 それからしばらくして、壊れて行く手を阻んでいた橋が仮復興し通行可能になった。 足止めを強の支度を整えた。 東の魔術師の元まであと少し。 クライスらの愛馬達は十分な休養を取ったせいか、前に乗った時よりも足並みが軽い気... - † 残 †
【残046話】狂愛の果て(4)
その瞬間。 「リーディ……ア様、いらっしゃる……、の?」 幾分大きくなったその声に、エルフェリスとリーディアは顔を見合わせると、すぐさまアルーンが縛り付けられている木の裏側に回り込んだ。 そしてそこにいた者の姿を認めて、リーディアがその名... - 短剣と夜想曲
【夜想曲12話】短剣と黒水晶2
Dream12.短剣と黒水晶2 「黒き欠片に還ったか。華の命は短いものよ。なぁ……サキュバス」 男の目の前で揺れる天秤から黒水晶がひとつ、消えていた。 だが男は不気味に笑い続ける。 「キラか……面白くなってきたわ。ヒヒヒヒヒ」 冷たく暗い部屋に木霊... - † 残 †
【残045話】狂愛の果て(3)
† † † † † 時が凍りついたように、エルフェリスもまた衝撃を受けて固まっていた。 「ロイズハルトが……禁術使い……?」 禁術はもはや伝説の中の伝説。知る人ぞ知る、忘れ去られた過去の遺物。 その術をヴァンパイアの中では唯一ロイズハルトのみが... - 短剣と夜想曲
【夜想曲11話】短剣と黒水晶
Dream11.短剣と黒水晶 目覚めた時に真っ先に瞳に映ったのは、酷く心配そうな表情を浮かべたクライスとリュイだった。 そしていつも通りのセシルド。 「キラ……良かった!」 私が瞬きを繰り返すと、クライスは長い溜め息と共に笑顔を見せた。 「頬の傷... - † 残 †
【残044話】狂愛の果て(2)
† † † † † 慌しく居城内を走り回る者たちの足音が、静まり返った回廊に響き渡る。 先ほどから自室のバルコニーに立ち、泉の方角をじっと見つめたまま動きもしなかったレイフィールは、その騒音がさも邪魔だと言わんばかりの表情で、それでも何かを... - 短剣と夜想曲
【夜想曲10話】武装女子の逆襲
Dream10.武装女子の逆襲 ああ、ありがとう。 これも神のお爺ちゃんのお陰かしら。 なんて思うわけないけど、突然救いの手は差しのべられた。 黒い水を浴びたセシルドの身体がみるみるうちに元に戻っていったのだ。 自由を取り戻したセシルドは、... - † 残 †
【残043話】狂愛の果て(1)
苦しい……。 誰か助けテ……? 私はここにいるのに……。 あア……ロイズ様。 助けて下サ……イ……。 「ねえリーディア。こいつらいつの間に紛れ込んだのかなぁ? 初めにいたのは確かにハイブリッドだったわけでしょ?」 アンデッドの群れを振り払って再び... - 短剣と夜想曲
【夜想曲09話】夢の中の、夢2
Dream09.夢の中の、夢2 「ふふふ。どう? 私のコレクションたちは」 サキュバスはそう言うと、噴水の上に浮遊したまま足を組んで笑った。 「何よコレ! 元に戻しなさいよ!」 反射的に柱に駆け寄っていた私は、石化したセシルドの身体に手を置いて声... - † 残 †
【残042話】聖なる血の裁き(8)
ワンドの先から白い閃光を何度も何度も放つと、それは瞬く間に大きく炸裂した。神聖魔法の中でも一番威力の弱い魔法ではあったが、それでもただのハイブリッドが相手ならば十分すぎるほどの威力を発揮した。その証拠に、閃光の走った後には無数の灰の山... - 短剣と夜想曲
【夜想曲08話】夢の中の、夢
Dream8.夢の中の夢 ――何が起きてももう驚くまい。 この世界は本当に不思議だと思う。 それがたとえ私たちの夢で成り立っている世界だとしても、だ。 独立したひとつの世界として存在するラルファールと、私の本当の世界を比べる事からして間違っ... - † 残 †
【残041話】聖なる血の裁き(7)
辺りはいつの間にか大量の灰で溢れていた。わずかな風でもそれは砂塵を含んで醜く濁っていた。 先ほどから、身体が鉛のように重い。 時間を経るごとに荒く、早くなる呼吸。時おりぼやける視界が、限界の近さを知らせている。 それでも、まるで衰え...