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✝ 残 ✝ 075話 反逆のヴィーダ(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残075話 反逆のヴィーダ(3)✚ 「ねぇ……どうするの? ロイズ。ここまで言ってるんだから連れて行っても……」 エルフェリスとロイズハルトの間で困ったように眉尻を下げたレイフィールが、この場の空気に堪りかねてそう口を開くも、ロイズハルトは硬く目... -
短剣と夜想曲37話 キラとクライス【異世界転移ファンタジー小説】
Dream37.キラとクライス その日の夜は、マイラック賢者とおばあちゃんのご厚意もあり一晩泊めてもらうことになった。 おばあちゃんのお料理は素朴でとても優しくて、なんだか郷愁さはどこかへふっ飛んで、体が軽く感じた。 悩んだって、いじけたって、... -
✝ 残 ✝ 074話 反逆のヴィーダ(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残074話 反逆のヴィーダ(2)✚ 「あの……さ……」「ん?」 いまいち歯切れの悪いエルフェリスに、レイフィールはきょとんとしたまま首を傾らそうとはしなかった。 言いたい事があるならば言え。そう言われているような気がした。 「あのさ……私もヴィーダ... -
✝ 残 ✝ 073話 反逆のヴィーダ(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残073話 反逆のヴィーダ(1)✚ その行為を反逆と呼ぶのか、それとも革命と呼ぶのか。その判断はいつでもしばしの時を要する。史実を顧えるからだ。 そこにどのような経緯があろうとも、所詮人の感情や記憶などすぐに消え去ってしまうもの。当事者でな... -
短剣と夜想曲36話 らくだとステテコの賢者2【異世界転移ファンタジー小説】
Dream36.らくだとステテコの賢者2 「サキュバス……せくしーぎゃるか! みみみ見せてくれ!」 急に熱量の上がった賢者様に冷ややかな視線を浴びせながらも、その右手にサキュバスの封印された珠を載せてやる。 マイラック賢者は大事そうにその珠を覗き込... -
✝ 残 ✝ 072話 影はいつでもすぐそこに(6)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残072話 影はいつでもすぐそこに(6)✚ 思い掛けない告白には、さすがのエルフェリスも口を開けたまま唖然とするしかない。 「過去に何度もって……」 村を訪れたというのだろうか。聖職者とハンターで溢れ返ったあの村に。 「ああ、エルには会ったこと... -
✝ 残 ✝ 071話 影はいつでもすぐそこに(5)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残071話 影はいつでもすぐそこに(5)✚ 懐かしく響く司祭の名前に、心の底から郷愁の念が湧き出すのを感じた。 「……司祭からの!」 同時に驚いて目を見開いたままエルフェリスはすぐに手紙に手を伸ばすと、白い封筒から白い便箋わせた。 ――親愛なる... -
美容と縁結びのパワースポット 下鴨神社・京都全力冬の旅①【フォトエッセイ・三度の飯より寺社仏閣】
▼ひとつ前に戻る▼ 2025年、2月。東京駅から新幹線に乗って、京都冬の旅へと向かった。 今回の目的は、冬の特別公開。あちこちで冬の間だけ特別に拝観できるあれやこれを観に行こうというわけだ。 しかしながら、特別拝観を行っている寺社仏閣だけを巡るの... -
短剣と夜想曲35話 らくだとステテコの賢者【異世界転移ファンタジー小説】
Dream35.らくだとステテコの賢者 「やあやあ、良くぞ訪ねてくださった」 改めて自分の席に座り直した賢者様は、ニコニコ微笑んだまま私たちを見回すと、小さくほほっと頷せを受けて、今度は夢魔たちの封印された黒い珠と、サキュバスを封印していた透明な... -
✝ 残 ✝ 070話 影はいつでもすぐそこに(4)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残070話 影はいつでもすぐそこに(4)✚ 「すぐに明かりを点けるからそこで待ってろ」 それだけを言うと、ロイズハルトは一人暗闇の中へと消えていった。 ヴァンパイアは闇に属する生き物ゆえに夜目く。だから普段は明かりを点けることなく過ごすことも... -
短剣と夜想曲34話 すみません、賢者さんちはどこですか【異世界転移ファンタジー小説】
Dream34.すみません、賢者さんちはどこですか2 ✶★✶✶★★✶★✶✶ 早朝から行動したかいあって、日暮れ前に南の首都にたどり着くことができた私たちは、適当なところに宿を取ってから、賢者を探しに街へと繰り出した。 狭い村なら二手に別れて探してもすぐに合... -
✝ 残 ✝ 069話 影はいつでもすぐそこに(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残069話 影はいつでもすぐそこに(3)✚ そして慌てて彼から目を逸らす。 激しく動く心臓が身体を突き破りそうだった。 しかし当のロイズハルトは何がおかしいんだと言わんばかりの表情できょとんとしている。 「何って……着替えてんだよ」「だから何... -
短剣と夜想曲33話 すみません、賢者さんちはどこですか【異世界転移ファンタジー小説】
Dream33.すみません、賢者さんちはどこですか 翌朝早く、私達はいつもよりも手早く出立すしかない。 ▼続きはこちらから▼ ▼1話前に戻る▼ ▼目次へ▼ -
✝ 残 ✝ 068話 影はいつでもすぐそこに(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残068話 影はいつでもすぐそこに(2)✚ 「くくっ、エル。そんな反応されたらこっちがびっくりするだろう?」 色白く細身の身体を揺らしながら、ロイズハルトはそう言うとエルフェリスの方に歩を進め、背後からぬっと覗き込んできた。 突然視界の中にロ... -
短剣と夜想曲32話 愛情たっぷり地獄の晩餐【異世界転移ファンタジー小説】
Dream32.愛情たっぷり地獄の晩餐 「みなさま、本当にありがとうございました。お陰でミルもこの通り、元気に戻ってくることができました。本当に感謝いたします」 素朴だけど、二人暮らしにしてはかなり大きな一枚板のテーブルを囲んで、私たちはミルさん... -
✝ 残 ✝ 067話 影はいつでもすぐそこに(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残067話 影はいつでもすぐそこに(1)✚ 夜が明けた。 あれほど激しく降り注いだ雨も明け方には勢いを弱め、日の昇る時分にはもうすっかりと上がっていた。 青く茂る葉からは一粒、また一粒と雨露する思考と連動しているように、あちらこちらと視点が定... -
短剣と夜想曲31話 セルフ封印を編み出した!2【異世界転移ファンタジー小説】
Dream31.セルフ封印を編み出した!2 「え、ちょっと待って、ホントに良いの?」 封印か消滅かを迫っている側にもかかわらず、夢魔の真意が掴めなくて動揺してしまう。 けれど夢魔は、もう迷いのない瞳で私を見上げた。「良いんです。自分で分からないう... -
✝ 残 ✝ 066話 雨の夜の再会(5)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残066話 雨の夜の再会(5)✚ 「エルっ?」 背後から二つの声がエルフェリスの名を呼んでいる。 けれどもその声はもはやエルフェリスの耳には届いていなかった。 ただただ、回廊の向こうに消えた影だけを追っていたエルフェリスには、何も聞こえず、...