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短剣と夜想曲32話 愛情たっぷり地獄の晩餐【異世界転移ファンタジー小説】
Dream32.愛情たっぷり地獄の晩餐 「みなさま、本当にありがとうございました。お陰でミルもこの通り、元気に戻ってくることができました。本当に感謝いたします」 素朴だけど、二人暮らしにしてはかなり大きな一枚板のテーブルを囲んで、私たちはミルさん... -
✝ 残 ✝ 067話 影はいつでもすぐそこに(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残067話 影はいつでもすぐそこに(1)✚ 夜が明けた。 あれほど激しく降り注いだ雨も明け方には勢いを弱め、日の昇る時分にはもうすっかりと上がっていた。 青く茂る葉からは一粒、また一粒と雨露する思考と連動しているように、あちらこちらと視点が定... -
短剣と夜想曲31話 セルフ封印を編み出した!2【異世界転移ファンタジー小説】
Dream31.セルフ封印を編み出した!2 「え、ちょっと待って、ホントに良いの?」 封印か消滅かを迫っている側にもかかわらず、夢魔の真意が掴めなくて動揺してしまう。 けれど夢魔は、もう迷いのない瞳で私を見上げた。「良いんです。自分で分からないう... -
✝ 残 ✝ 066話 雨の夜の再会(5)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残066話 雨の夜の再会(5)✚ 「エルっ?」 背後から二つの声がエルフェリスの名を呼んでいる。 けれどもその声はもはやエルフェリスの耳には届いていなかった。 ただただ、回廊の向こうに消えた影だけを追っていたエルフェリスには、何も聞こえず、... -
短剣と夜想曲30話 セルフ封印を編み出した!【異世界転移ファンタジー小説】
Dream30.セルフ封印を編み出した! 私の不用意な一言で夢魔が泣いてしまったが、なんとか一生懸命みんな(主にリュイ)で宥を経て、はっきりとそう宣言した夢魔に驚き、私は思わずツッコミを入れてしまった。 ▼続きはこちらから▼ ▼1話前に戻る▼ ▼目次へ▼ -
✝ 残 ✝ 065話 雨の夜の再会(4)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残065話 雨の夜の再会(4)✚ 赤くなったり蒼くなったり、今夜は本当に忙しい。 心底疲れ果てた体を少し休めようと、エルフェリスもソファに深く身を沈めた。しかしそこでふと気付いたことがあった。 「……てかなんで私たち並んで座ってんの?」 向か... -
短剣と夜想曲29話 どこまでも落第する夢魔2【異世界転移ファンタジー小説】
Dream29.どこまでも落第する夢魔2 そして呟く。「……いない?」 それは茫然自失とかさ、そういうの……よく聞くじゃん?」 マンガでだけど。 と心の中で付け加えるのを忘れない。「私が知ってる話だとさ、だいたい悪者に集団で操られる時って、なんでか... -
✝ 残 ✝ 064話 雨の夜の再会(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残064話 雨の夜の再会(3)✚ 「こっち見ないでよ……」 そんな真面目な顔をして私を見ないで。 そう思いながら、しばしデューンヴァイスから視線を外した。そうでもしないととてもじゃないが心臓がもたない。 普段は調子の良い表情しか見せないくせに... -
短剣と夜想曲28話 どこまでも落第する夢魔【異世界転移ファンタジー小説】
Dream28.どこまでも落第する夢魔 人格が入れ替わった途端にパニックを起こしてぶっ倒れた夢魔を、私たち四人は取り囲むようにして見下ろしていた。 完全に白目を剥を必死に訴えながら叫ぶ夢魔が、突然動きを止めて首を傾げた。 ▼続きはこちらから▼ ▼1... -
✝ 残 ✝ 063話 雨の夜の再会(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残063話 雨の夜の再会(2)✚ それからしばらくして。 「いてー……」 頬に赤いカエデの葉にも似た烙印っていた。 「デューンのバカッ! サイッテー!」 グビグビと一杯飲み干すごとにそう吐き捨てては、ポットを乱暴に握り締め再びカップに注いで飲み... -
短剣と夜想曲27話 リュイの調べ【異世界転移ファンタジー小説】
Dream27.リュイの調べ 「あーもう、せっかく俺が引き付けてたのに邪魔しやがって、あのバカ金魚が!」 私に向かって突撃してくる夢魔の背を追って、セシルドがぼやきながらもこちらへ進路を変えた。「ミルさんは離れて! リュイの傍してしまった。 ……... -
✝ 残 ✝ 062話 雨の夜の再会(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残062話 雨の夜の再会(1)✚ 感動の再会に涙する。そんな光景を今まで何度も何度も見てきた。 教会という場所柄、訪れる人々は十人十色。様々な想いを抱いてやって来る。 自らの幸福を願う者、他人の未来を願う者、日々に失望した者、そして、日々を... -
✝ 残 ✝ 061話 狂える月(4)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残061話 狂える月(4)✚ 急進派とも革新派ともいわれるヘヴンリーらの勢力と真っ向から対立する戦闘集団。 そのトップが……リーディア? エルフェリスの双眸う。 確かに、リーディアは女性にしては随分と長けた戦い方をしていた。 もちろん実... -
短剣と夜想曲26話 あの人の為ならとり憑かれたって【異世界転移ファンタジー小説】
Dream26.あの人の為ならとり憑かれたって 「彼はずいぶんと無茶な戦い方をしますねぇ。見てるこちらがハラハラしますよ」「やっぱリュイもそう思う?」 二重人格の夢魔相手にロングソードを巧る声が聞こえたけれど、それよりも情けない手を使って優位に立... -
✝ 残 ✝ 060話 狂える月(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残060話 狂える月(3)✚ 彼がどれほどの時を生きてきたのかなどエルフェリスの知るところではなかったが、この目は確かに人を惹き付ける。この存在は確かに人の心を掴むのだ、とエルフェリスは思った。 まるであの空みたいだと。 暑い暑い日々を突き... -
短剣と夜想曲25話 ナイト2【異世界転移ファンタジー小説】
Dream25.ナイト2 これはいよいよ本気でヤバそうだ。 セシルドの嘘つき。 夢魔よりも早く戻るって言ったじゃないか。 心の中でセシルドへの恨み言を呟きつつ、頭のスイッチを完全な戦闘モードに切り替える。 額から流れ落ちる汗の感覚に苛してきた状... -
✝ 残 ✝ 059話 狂える月(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残059話 狂える月(2)✚ 「癖で人を殺すような男なの? ……ルイって」 頭ではこの場から離れねばと分かっているのに、エルフェリスの中の好奇心がヘヴンリーの話を聞かせろと暴れ回る。 だからエルフェリスはあえて考えるのを止めて、ヘヴンリーに続き... -
✝ 残 ✝ 058話 狂える月(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残058話 狂える月(1)✚ もやもやする気分を引きずったまま、エルフェリスは一人、日の差し込まない回廊をとぼとぼと自室へ向かって歩いていた。 太陽はもう完全に姿を現しているというのに、遮光われたこの城の中はやはり肌寒く、薄暗い。 血塗らに...