2024年9月– date –
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【残040話】聖なる血の裁き(6)
しかしその間にも残った男たちは次から次へと襲い掛かってきた。 このままではリーディアの負担は増す一方だと悟ったエルフェリスはふらつく頭を何度も振って、それから肢体に力を込めてワンドを杖代わりに立ち上がる。一瞬目の前が真っ暗になり身体が... - 短剣と夜想曲
【夜想曲06話】魔具使い
Dream6.魔具使い 村人たちの会合をある程度見届けた後、私たちは急いでセシルドが待つ宿屋へと戻った。 ものすごい剣幕で部屋に飛び込んだ私たちとは対照的に、セシルドはリュイの伴奏に合わせて下手くそな歌なんか歌っちゃってた。 事情を知らない... - † 残 †
【残039話】聖なる血の裁き(5)
「うぐっ?」 リーディアの行動が理解できないのか、男は初め訝めると、男の口から大量の血が溢れ出した。 エルフェリスから吸い取った赤い血が。 リーディアはその時を見計らってさっと身を交わし、地べたに座り込むエルフェリスを抱えると、素早く... - 短剣と夜想曲
【夜想曲05話】黒の胎動
Dream5.黒の胎動 赤き月よ、出でよ。 そしてこの大地を染めてしまえ。 白き月などもはや不要。 我れが望むは黒の月なり――。 どこかで何かが妖しく蠢いていた。 地底なのか、はたまた地上なのか、それすらも分からないい暗い空間に、何とも不快... - † 残 †
【残038話】聖なる血の裁き(4)
「しかし俺たちも見くびられたモンですよね、まさかドールなどから指図されることになろうとは」 この場の緊張感とは正反対の軽さを含んだその声に、リーダーらしきあの赤目の男は大きく欠伸をしながら面倒そうに同意した。その言葉に、エルフェリスとリ... - 短剣と夜想曲
【夜想曲04話】その名で呼んだらブッ飛ばす
Dream4.その名で呼んだらブッ飛ばす かくして最初の目的地は決まったワケだが、同時に私はぐうぐうといびきをかいていた。 しかも夢の世界にいるというのに、ご丁寧にもまた夢を見ていた。 そして朝。 いつもの如くでなかなか起きない私は、セシル... - † 残 †
【残037話】聖なる血の裁き(3)
「二人とも殺して良いと言われているんでね」 男の中の一人がそう言って、白い牙を覗かせた。 「誰の差し金ですの……」 そんな中、ようやく息を整えたリーディアがゆらりと立ち上がり、エルフェリスを庇うように一歩前へ進み出た。 満身創痍の体でな... - 短剣と夜想曲
【夜想曲03話】夢の世界ラルファール
Dream3.ラルファール 兎にも、行動を起こすにはこの世界に対するある程度の知識が必要だろうということで、どっぷり日が暮れるまでクライス先生による歴史と社会の講義を受けた。 背後にはセシルド。 欠伸ひとつしようものなら容赦無い毒舌が浴びせ... - † 残 †
【残036話】聖なる血の裁き(2)
「……な……ッ」 エルフェリスは驚愕のあまり絶句した。 初めて見る男だった。すらりとした長身に、長く伸びた髪の毛を風になびかせ、まるで先ほどからそこにいたかのようにごく自然に、笑みを浮かべて立っていた。 少しばかり骨ばった顔が印象的ではあ... - 短剣と夜想曲
【夜想曲02話】奔放王子と生意気従者
Dream2.奔放王子と生意気従者 確かに私は夢見が良かった。 内容を覚えているいないはともかく、毎晩何かしら夢を見ていた気がする。 夢は深層心理の現れだとか、眠りの浅い証拠だとか言われるけれど、それでも何も見ないと言うのはつまらない。 周... - 短剣と夜想曲
【夜想曲01話】いじける神様
足元に二人の男が転がった。 少し遅れて、金属の乾いた音が虚しく響く。 「まったくもう……お陰で遅刻じゃないの!」 恐らくは聞こえてないだろうけど、間抜けな顔で白眼を剥を付くのを忘れない。 だって分かるでしょ? 毎朝夢見が良すぎて寝坊... - 短剣と夜想曲
短剣と夜想曲【異世界転移ゆる系ファンタジー小説】
大人も子供も武装する現実世界から、夢の世界へと召喚された女子高生キラ。 神を名乗るおじいちゃんに助けを求められ、旅の仲間となる二人連れの元へと吹っ飛ばされる。 そこは、人々に悪夢を見せるという夢魔の蔓延る世界。この世界を救わないと、元いた... - † 残 †
【残035話】聖なる血の裁き(1)
道なき道をリーディアに手を引かれながら、一歩一歩を確かめるようエルフェリスは進んだ。 月も姿を隠す今夜は異様なほどに静かで、そして何より闇深い。先ほどに比べればだいぶ目も慣れてきたが、それでもやはり不自由さは拭いきれず、時おり地面から...
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