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✝ 残 ✝ 027話 ルイという男(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残027話 ルイという男(3)✚ 「どうしたの?」 慌てて顔を覗き込むと、熱っぽい眼差しでエルフェリスを見上げるレイフィールと目が合った。 アイスブルーの瞳が、すぐそばで揺らめいている。その呼吸はわずかに乱れていた。 「レイ……?」 もう一度名... -
✝ 残 ✝ 026話 ルイという男(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残026話 ルイという男(2)✚ その一方で、一人眉をひそめるエルフェリス。 「ん? ……ルイって誰?」 突然出てきた聞き慣れない名前に首を傾げると、談笑を続けるレイフィールの代わりに、彼のドールの一人がすっと口を開いた。 「ルイ様はシードのお... -
✝ 残 ✝ 025話 ルイという男(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残025話 ルイという男(1)✚ 結局エルフェリスとリーディアは茶会のほとんどを茂みの中で過ごした。別に親しい誰かがいるわけでもないし、エリーゼの行方を捜すのもまた次の機会にすればよいと思って、エルフェリスは新たな友人となれるであろうリーディ... -
✝ 残 ✝ 024話 リーディアの過去(4)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残024話 リーディアの過去(4)✚ エルフェリスはこっそりと横目だけでリーディアの様子を窺だけでエルフェリスはそうではない、彼女は決して悔やんではいないと確信した。 だってリーディアはいつだって眩しいほどに輝いているから。エルフェリスには... -
✝ 残 ✝ 023話 リーディアの過去(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残023話 リーディアの過去(3)✚ 「見てはいけない夢を見ているのですわ。カルディナも……他のドールたちも……」 何かを想い出すように呟いたリーディアの瞳から、色が失われていくような錯覚を覚えた。彼女の目に映る景色も、あるいはどこか別の場所を映... -
✝ 残 ✝ 022話 リーディアの過去(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残022話 リーディアの過去(2)✚ やがて茶会の開始を知らせるベルが鳴り響き、続々とヴァンパイアやドールが集まる中を、エルフェリスもリーディアを伴って庭園へと赴くことにした。 二人が下りる頃にはもう、広大な広さを誇る庭園もすでに数多くの群... -
✝ 残 ✝ 021話 リーディアの過去(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残021話 リーディアの過去(1)✚ 女の噂と結束力は、どうしてあんなに強大なのだろうといつも思っていた。昨日の敵は今日の仲間、今日の仲間は明日の敵、といわんばかりに刻一刻とメンバーを入れ替えながら、いつか飽きるまで続いていくのだ。 やられ... -
✝ 残 ✝ 020話 吸血人形ドール(4)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残020話 吸血人形ドール(4)✚ 「あの……エルフェリス? そろそろ放してくださらない?」「あ、ごめんなさい!」 彼女の手をずっと握り締めたままだったことをすっかり忘れていたせいで、さらにカルディナの気を悪くしてしまったようだった。指摘を受け... -
✝ 残 ✝ 019話 吸血人形ドール(3)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残019話 吸血人形ドール(3)✚ 「よし、好きなの選べ。てか好きなだけ選べ。どうせ服もあんまり持って来てないんだろ?」 本当に衣装だけの部屋なのかと思うほど広いクローゼットのど真ん中でようやく下ろされたエルフェリスに、デューンヴァイスは至極... -
✝ 残 ✝ 018話 吸血人形ドール(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残018話 吸血人形ドール(2)✚ 「よっ!」「なんだ……、デューンか」 長身の背を少し丸めて気さくに片手を上げる男の姿を認めると、エルフェリスは人知れずほっと胸を撫で下ろした。そこにいたのは誰でもない、エルフェリスがこの城に残るために一緒に奔... -
✝ 残 ✝ 017話 吸血人形ドール(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
〈第三夜 偽りのドール〉 ✚残017話 吸血人形ドール(1)✚ 幼い頃、大好きだった人形があった。何度目かの誕生日のお祝いに、司祭が買ってくれた女の子の人形。目は大きくて、髪は金色の巻き髪。キラキラ輝くドレスがお気に入りで、眠る時まで一緒だった... -
✝ 残 ✝ 016話 光と闇の接点(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残016話 光と闇の接点(2)✚ ここまで重大な秘密を共有する自分にも話せないようなことが、彼らの暮らすあの小さな村の中にあるのだろうかとロイズハルトは疑念の目を向ける。 だが何かを疑ったところで、エルフェリスに襲い掛かる脅威を振り払えるわ... -
1冊からOK。pixivFACTORYで自作小説を文庫本化してみた話【スマホ写真解説付き】
自分の書いてる小説を本にしたいけど、ある程度冊数まとまらないとダメなんでしょ?自分用だから一冊で良いんだけど! そう思っている方、私以外にもいるんじゃないですかね? それ、投稿サイトの「pixiv」のグッズ・同人誌制作サービス「pixivFACTORY(ピ... -
✝ 残 ✝ 015話 光と闇の接点(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残015話 光と闇の接点(1)✚ 知らなければ良いことなんて生きている上では幾つもあって、いちいち覚えていられない。 聞かなければ良かった、知らなければ良かったと思っても、時が経てばそのうち忘れてしまうのだろう。 人間の記憶なんて物は、実に... -
✝ 残 ✝ 014話 夜明け前(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残014話 夜明け前(2)✚ 不思議な組み合わせの訪問を受けて、初めロイズハルトは呆気にとられたような表情で眉をひそめた。そんなロイズハルトを半ば押し込む形で部屋へと入った二人は、彼の逆鱗に触れないうちにさっさと本題を切り出した。 そして冒... -
✝ 残 ✝ 013話 夜明け前(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残013話 夜明け前(1)✚ 明けない夜は無いと、誰かが言っていた。 どんなに追い詰められようが、どんなにどん底に叩き落されようが、必ずどこかに打開策はあるものだと。 使い古されたその文句に、一体どれだけの人が救われてきたのかは知らないが、... -
✝ 残 ✝ 012話 共存の盟約(2)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残012話 共存の盟約(2)✚ 「リーディアは反対のようだけど、ゲイル司祭としてはどう?」 押し黙ったまま一点を見つめ思案するエルフェリスをよそに、無邪気に明るい声色でそう司祭に意見を求めたのは、シードヴァンパイアのレイフィールだった。 彼は... -
✝ 残 ✝ 011話 共存の盟約(1)【恋愛ダークファンタジー小説】
✚残011話 共存の盟約(1)✚ 一見聞こえは良いが、共存なんて言葉は、裏を返せば互いに牽制するための便利な表現に過ぎない。 この会議においては特に。 元々敵対していた者同士が己の身を守る為だけに結んだ盟約なのだから、当たり前と言えば当たり前...